秋季に行われる大分県および日田市指定の無形民俗文化財について

更新日:2025年10月03日

秋季には、神社で奉納される楽(杖楽)などが日田市の各地で行われます。ここでは、大分県、日田市指定の無形民俗文化財についてご紹介します。

県指定無形民俗文化財

市指定無形民俗文化財

磐戸楽(いわとがく)

  • 県指定無形民俗文化財

場所

大行事八幡宮(だいぎょうじはちまんぐう)(三ノ宮1丁目)

時期

10月中旬

解説

大行事八幡宮(三ノ宮町)に天文年間以前より伝わる神事で、青年による棒使いと、小中学生による河童舞いが演じられ、「河童踊り」の名で親しまれています。

氏子総代が五穀成就の感謝文を奉読することから、秋の収穫祭としての面もあります。

伝承

その昔、大原八幡宮の八幡様を乗せた神馬が近くの石松川を渡ろうとした際に、そこに住む河童が神馬にいたずらをしかけたところ、返り討ちにあってしまいました。八幡様がこれを見て河童を助けたところ、喜んだ河童たちの踊りが磐戸楽の始まりと伝わっています。

磐戸楽

大野楽(おおのがく)

  • 県指定無形民俗文化財

場所

大野老松天満社(おおのおいまつてんまんしゃ)及び前津江町内

時期

11月上旬(5年に1回開催)

解説

五穀豊穣、疫病災難払い又は天皇即位を祝うために大野老松天満社に奉納された、棒術、長刀術を伴う河童楽です。長着・裁着姿の子どもが楽の中心になり、河童をまねた所作を披露します。

伝承

楽奉納記事が書かれた「大野村音楽由来」の写本の最も古い年号は文化6年(1809年)です。大野楽は毎年奉納されるものではなく、大正以後では、大正2年、昭和2年、27年、35年、39年、47年、53年と行われ、現在では5年に1回の奉納となっています。次回は令和10年に開催予定です。

大野楽

本城くにち楽(ほんじょうくにちがく)

  • 県指定無形民俗文化財

場所

金凝神社(かなこりじんじゃ)(天瀬町本城)

時期

10月20、21日

解説

天狗・姪子・福禄寿・毘沙門・大黒の面をつけた「面かぶり」が杖使いたちを指揮します。一同が整列し、大黒が米、塩を撒き清め、楽と同時に面かぶりが幣を振り駆けめぐります。

伝承

明治15年(1882年)ごろ、玖珠郡九重町町田より伝習したといわれ、歴史は浅いですが、町田楽が中絶して本城地区だけに正しく残されたとされています。

本城くにち楽

有田町若八幡社やっこ振り行列
(ありたまちわかはちまんしゃやっこふりぎょうれつ)

  • 市指定無形民俗文化財

場所

若八幡社(わかはちまんしゃ)~八龍神社(はちりゅうじんじゃ)(有田町)

時期

10月22、23日

  • 11月第2土日に行われる日田天領まつりでも行われます

解説

やっこ振り行列は、毎年10月22,23日におくんち(秋祭り)の行事として神官を招いて行われます。行列は22日に有田町の若八幡社を出発し、県道白地日田線を約600m東進、それを左折し200m北上して八龍神社に向かいます。23日はその道を通って戻ります。この行事は太平洋戦争中から一時中断していましたが、地元からの強い要望もあり、昭和52年に復活しました。

伝承

延喜11年(911年)に有田郷社として若八幡社がおかれ、室町時代の文明18年に始まったとされる若八幡社の祭式が、江戸時代の慶長6年に久留米藩の領地となって以来、久留米藩の若八幡社に対する熱い保護によって、おくんち(秋祭り)として行われるようになりました。

有田町若八幡社やっこ降り行列

出口本村楽(いでぐちほんむらがく)

  • 市指定無形民俗文化財

場所

老松天満社(おいまつてんまんしゃ)(天瀬町出口)

時期

10月24、25日

解説

五穀豊穣に感謝して出口の老松天満社で奉納され、出口袋七夕楽と隔年で行われます。天狗・恵比寿・大黒・赤鬼・青鬼の「面かぶり」が杖使いを指揮します。杖使いが一組ずつ演技を行い、最後に杖の端を突き合わせ、うまくいくと面かぶりが興奮して見物客のもとへ行きます。

伝承

江戸末期に玖珠郡九重町の町田楽を伝習したと伝わる杖楽です。

出口本村楽

出口袋七夕楽(いでぐちぶくろたなばたがく)

  • 市指定無形民俗文化財

場所

老松天満社(天瀬町出口)

時期

10月24、25日

解説

五穀豊穣に感謝して出口の老松天満社で奉納され、出口本村楽と隔年で行われます。五馬地区のほかの楽と同じように杖楽ですが、相撲甚句を伝えるのが特徴です。

伝承

江戸後期の干ばつ期に雨乞いのため玖珠郡九重町の町田楽と前津江大野楽を伝習したと伝わる杖楽です。大正5年(1916年)の干ばつにも、雨乞い祈願の奏楽中に大雨が降ったことが記録されています。

出口袋七夕楽

五馬楽(いつまがく)

  • 市指定無形民俗文化財

場所

玉来神社(たまらいじんじゃ)(天瀬町五馬市)

時期

10月26、27日

解説

五穀豊穣に感謝して五馬市の玉来神社で奉納されます。天狗・恵比寿・大黒・赤鬼・青鬼ら「面かぶり」が杖使いらを指揮します。全員で楽を奉納後、一組ずつ奉納し「面かぶり」らがはやし立てます。

伝承

九重町の町田楽との近親性が見られますが、由来は定かではありません。

五馬楽

この記事に関するお問い合わせ先

日田市 文化スポーツ観光部 文化財課 文化財管理係
〒877-8601 大分県日田市田島2丁目6番1号(市役所別館2階)
電話番号:0973-24-7171(直通)
ファックス番号:0973-24-7024

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